2024年4月19日金曜日

外国語教育コンテンツ論コースの紹介

神戸大学大学院国際文化学研究科グローバル文化専攻外国語教育コンテンツ論コース




外国語教育コンテンツ論コースメンバー(2024/2)

【コースの紹介】
 神戸大学大学院国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コースでは,新時代の外国語教育の創造に主体的に参画できる人材育成を目指し,外国語教育の内容・方法・展開に関わる研究を総合的に行っています。
 当コースでは,言語学(コーパス言語学・認知言語学・語用論・音声学・文法学)と教育学(授業論・教育工学)の学問的基盤をふまえつつ,とくに,教育現場での実践的展開を見据えた研究を重視しています。
 本コースにおいて外国語教育を取り巻く諸問題に多面的にアプローチする能力を付けた修了生は,国内外の教育機関等で活躍しています。本コースは,学部時代の専門に関わらず,外国語教育を通して社会のグローバル化に貢献しようとする意気込みにあふれた学生の受験を歓迎します。

【コース指導の特徴】
 閉鎖的な徒弟式の指導に偏らず,コース教員の多様な専門を生かした集団指導を特徴としています。コース学生は,主指導教員によるゼミのほか,年間5回の「コース集団指導」において,コース所属の教員全員から指導を受け,各自の研究を深めていくことができます。「コース集団指導」は本格的な学会発表の予行の場でもあり,自分の専門をわかりやすく発表するプレゼンテーション技術を磨くこともできます。

【コース教員】 (担当講義科目 専門分野)
石川 慎一郎 教授 (研究者紹介科研個人HP)  
 外国語教育内容論特殊講義II   応用言語学 
 柏木 治美 教授 (研究者紹介科研個人HP
 外国語教育工学論特殊講義   教育工学、CALL
木原 恵美子 准教授 (研究者紹介科研個人HP
 外国語教授学習論特殊講義   英語の構文研究、認知言語学
グリア・ティモシー 教授 (研究者紹介科研個人HP
 第二言語運用論特殊講義   会話解析
佐藤 健 教授(研究者紹介科研・個人HP)※2024/4着任
 外国語教育内容論特殊講義Ⅰ 応用言語学、ICT利用外国語教育
芹澤 円 助教(研究者紹介・科研・個人HP)
 言語対照応用論特殊講義Ⅰ ドイツ語学
陳 暁 講師(研究者紹介・科研・個人HP) ※2023/10着任
 外国語教育内容論特殊講義Ⅰ 中国語学

【コース修了生の進路実績(2007~2022年度)】
(後期課程)
【専任】近畿大学准教授,環太平洋大学准教授,大阪大学専任講師,広島国際大学専任講師,四川外国語大学専任講師,湖北大学専任講師,大阪工業大学特任講師,中南財経政法大学専任講師,山東科技大学専任講師、カタール大学専任講師
【非常勤】関西大学他非常勤講師,神戸大学非常勤講師,東京家政大学非常勤講師、神戸大学外国人特別研究員他

(前期課程)
(進学)神戸大学大学院国際文化学研究科博士後期課程、筑波大学博士後期課程
(就職)
【教育関係】神戸大学特命助教,兵庫県立大学助教,東京大学附属中等教育学校教諭、神戸大学附属中等教育学校教諭(2),神戸大学附属小学校教諭,兵庫県立高校教諭(2),滋賀県立高校教諭,神戸女学院中高等部教諭,沖縄県立高校講師,西大和学園中高講師,同志社女子中高講師,尼崎市立中学校教諭,神戸市立中学校教諭、神戸市外国語大学非常勤講師、神戸市高等工業専門学校非常勤講師
【企業等】(株)矢崎産業,(株)Sony Computer Entertainment, Taiwan,(株)三菱電機,(株)白鳩(インターネット通販),(株)日立ソリューション,(株)富士通、(株)Sony Global Manufacturing Corporation、(株)TSB(電子部品商社)上海支社ほか。

【研究分野で活躍する修了生】(50音順)(2024年4月1日現在)
《本コースは内外の大学教員を多く輩出しています。》

Amar, Cheikhna氏 
 カタール大学専任講師(ウェブサイト) ※本コースD修了(グリアゼミ)
井上 聡 氏 
 環太平洋大学 副学長・次世代教育学部長・教授(ウェブサイト)※本コースMD修了(石川ゼミ)
袁 園 氏
 中南財経政法大学副教授 (ウェブサイト)*本コースD修了(グリアゼミ)
岡田 悠佑 氏 
 大阪大学准教授(ウェブサイト) ※本コースD修了(グリアゼミ)
呉 琪氏
 筑波大学助教(ウェブサイト) ※本コースMD修了(朱ゼミ)
佐々木 恭子氏
 国立米子工業高等専門学校准教授(ウェブサイト) ※本コースM修了(石川ゼミ)
肖 錦蓮 氏
 華南農業大学外国語学部日本語学科専任講師(ウェブサイト) ※本コースM研究生、D修了(石川ゼミ)
隋 诗霖氏(ウェブサイト
 吉林動画学院(※単科私立大)国際交流学院日本語教師 ※本コースM研究生・M修了(石川ゼミ) 
鈴木 佳奈 氏 
 広島国際大学准教授(ウェブサイト)※本コースD修了(グリアゼミ)
張 昆 氏 
 四川外国語大学専任講師 ※本コースMD修了(朱ゼミ)
張 晶鑫氏
 湖北大学副教授(ウェブサイト) ※本コースD修了(石川ゼミ)
陳 昌柏 氏 
 山東科技大学外国語学院 研究生导师(ウェブサイト)※本コースD修了(朱ゼミ)
鄧 琪 (邓琪) 氏
 東北大学(秦皇島キャンパス)専任講師(ウェブサイト) ※本コースMD修了(石川ゼミ)
中西 淳氏
 大阪工業大学特任講師(ウェブサイト) ※本コースMD修了(石川ゼミ)
Zachary Nanbu氏
 同志社大学グローバル地域文化学部助教(ウェブサイト) ※本コースMD修了(グリアゼミ)
李 楓 氏 
 西安理工大学准教授(ウェブサイト)※本コースMD修了(石川ゼミ)
渡邉 綾 氏 
 福井県立大学准教授(ウェブサイト)※本コースD修了(グリアゼミ)


◎大学院(博士前期課程・後期課程・研究生)志望者の方へ
当コースは,受験前の教員への事前相談を必須化しています。師事したい教員がいれば,直接,メイルで連絡をとってください。

【コース関連教員】
(名誉教授)
井口 淳  名誉教授(英語語法学・英語辞書学)Researchmap
沖原 勝昭 名誉教授(英語教育学・応用言語学)Researchmap 
枡田 義一 名誉教授(ゲルマン語文法研究)Researchmap 神戸日独協会会長
朱 春躍 名誉教授(中国語音声学)Researchmap
大和 知史 名誉教授(英語教育学) → 現 関西大学教授 Researchmap

 (転出教員)
西出 佳代 講師 → 現 金沢大学准教授 Researchmap
浅野 友紀 講師 → 現  北海道大学准教授 Researchmap
大和 知史教授 → 現 関西大学教授 Researchmap


【学生研究テーマ】
(博士論文)第2言語使用アイデンティティ,小学校英語指導者資質診断テスト開発,会話における他者起源修復,中日同形方位成分,会議インタラクション,日本語複合動詞,英語基本動詞のコーパス分析,漢語サ変動詞のコーパス分析,日本語オノマトペ分析、会話分析

(修士論文・修了研究レポート)英語強意詞,英語コロケーション,英語使役動詞,英語起動表現,ドイツ語動詞の自他,日本語カタカナ語,シャドーイング,フォニックスルール,Focus-on-form発音指導,バイリンガル話者会話分析,英語前置詞コーパス分析,終助詞「よ・ね」の音調分析,日本語複合動詞「~あう」研究他


【Q&A】
Q:どのような言語が研究できますか?
A:英語,日本語,中国語,ドイツ語については専門スタッフがそろっています。また,このほかの言語についても,一般言語学および言語教育学の観点から研究指導を行うことが可能です。

Q:学部時代に外国語学を専攻していなかったのですが志願できますか?
A:これまでの在籍生の学部時代の専門は,言語学・言語教育学のみならず,文学・法学・経済学などさまざまです。語学力と語学教育への熱意があれば,大学院において新たに外国語教育の研究を始めることもじゅうぶん可能です。本コースでは,導入講義を体系的に開講しているので,これらの履修により,2年間で修士レベルの知識や分析スキルを身に着け,さらに,後期課程で研究を深めることができます。

【過去のコースメンバー写真】
外国語教育コンテンツ論コースメンバー(2019/4/26撮影)

外国語教育コンテンツ論コースメンバー(2020/1/31撮影)

外国語教育コンテンツ論コースメンバー(2021/1/8キャプチャ)





  







2024年4月18日木曜日

2024.4.26 第1回集団指導

 神戸大学大学院国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コースでは、下記の要領で、2024年度第1回集団指導を行います。コース所属学生13名全員がポスター発表を行い、参加者と意見交換をします。
 コース外からの聴講も歓迎します。希望者は、石川(iskwshin@gmail.com)宛に、前日までにご連絡ください。

                    記
日時: 2024年4月26日(金)10:40~12:10
会場: 神戸大学国際文化学研究科鶴甲第1キャンパスD503教室(※昨年度と異なります)
発表形式:ポスター発表

プログラム
10:20~11:00 A組 陳迪・岡本・飯島・石居・魏・尾崎・陳俊彬
11:00~11:40 B組 中村・廉・Shimamoto・春山・牟・李
11:40~12:00   新任教員による小講演

鶴甲第1キャンパス

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小講演

講師 佐藤健教授(2024年4月ご着任)
演題 「言語とメディアと闘争と」
概要 これまで外国語としての英語習得におけるメディア利用の効果と学習者要因について研究してきました。その研究内容を概覧しつつ、現在の関心についてお話ししたいと思います。また、私の研究の道のりは平坦ではなく、寄り道と闘争の連続でした。その歴史についても共有します。

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大学院発表タイトルと概要

D3 陳 迪 「漢語動名詞の連体修飾後続要素に関する調査」
本研究は、日本語学習者にとって理解しやい漢語VNの連体修飾後続要素の使い分け基準を作成するため、動詞型?名詞型?形容詞型の連体修飾後続要素の典型性を調査した上で、連体修飾後続要素に影響を及ぼす要因を探索する。

D3 岡本真砂夫 「英語プロソディ指導の縦断的研究:小学校教室での実践から」
第5章「インタビューテスト回答文の分析」の途中経過について発表する。定型文においてピッチレンジ,fluencyに学期ごとの有意な差はなかったが,回答文においては有意な差が見られた。また回答文におけるチャンクによっては,核強勢が改善させる可能性が示唆された。

D3 中村弘子  「日本人大学生の性格?情意要因が英語発話時の韻律的特徴に与える影響―生理学的および音響学的考察」
本発表では単語レベルの分析に焦点を当て、性格 情意要因が英語発話時の語アクセントに与える影響について考察する。

D1 David Shimamoto "L2 Interaction in the Simulated Wild: A Conversation Analytic Study of Task Phases"
This research plan adopts Conversation Analysis Methodology to investigate L2 interactional practices at an experiential language learning institution. It takes particular interest in how interaction unfolds during the three main phases of role-play tasks: pre-task, during task, and post-task. 

D1 飯島真之  「現代英語におけるスタンス表出-コーパス調査に基づいて-」
後期課程では、現代英語、英語学習教材、及び学習者における英語スタンス表現を考察する。当日は、研究全体の概要を発表する。また、事前研究として、日本人学習者が使用する人称代名詞「I」の使用量に影響する学習者要因についても部分的に報告する。

D1 廉沢奇  「コーパス調査に基づく現代日本語における オノマトペの用法解明と日本語教育への応用」
本発表では、博士論文全体の概観と修士論文との違いについて述べるとともに、研究の中心であるオノマトペの特定に焦点を当て、新しいオノマトペ調査方法を考案し、事前調査としてABAB型についての調査結果を紹介する。最後に、今後の研究展開について説明する。

M2 石居史帆 "Identity-in-interaction in L2 Japanese Talk: Identity category use for account"
理由づけのためのアイデンティティカテゴリーの使用の一例について、会話分析の視点を踏まえて考察する。

M2 尾﨑祐真 「音声認識方法の検討  ~仕組みの検討から高校生を対象にした予備実験~」
ツールの音声認識機能において仕組みの検討を行いました。また本調査前の予備実験として、高校二年生を対象に実際に音声認識を試していただき、日本人高校生の英語発話がどの程度正確に認識されるかを試しました。

M2 春山洸陽 "Reusing and Adjusting Shared Interactional Histories in Task-based Roleplays"
TGGにおいて学生が行うひとつのロールプレイ活動の始まりから終わりまでの様子をLongitudinal CAの手法を用いて分析を行った。タスク活動の前半においてグループ内のある学生が行うタスク中に共有された言語資源が、後半の同グループ内の別の学生によって、タスク遂行のために使用されたデータの分析内容について発表する。

M1 リ シホ "Conversation Analysis through TRPG" 
The concept of TRPG and how it differs from the traditional role-playing. How to use TRPG to do conversation analysis.

M1 牟 虹妮  「中国の日本語学習者における「と思う」の習得過程」
中国人学習者は「と思う」を使用する時、不自然な用法が散見される。「と思う」の不適切使用には、L1干渉 教育影響など、複合的な要因を探求する。

M1 魏 婧云 「「オノマトペ+する」の使用実態:母語話者コーパスと学習者コーパスの分析に基づいて」
研究の全体像を紹介します。研究の背景と目的、そしてこれから取り組む予定の研究の概要を説明します。また?「書き言葉データから学習者の使用実態」という部分の内容を紹介します。

M2 特別研究学生(北京外大M)陳俊彬 「日本語話し言葉におけるアスペクト標識「ている」の使用実態ー母語話者コーパスと学習者コーパスの分析に基づいて」
「ている」の用法は多彩で複雑である。教育現場では初級段階から導入される文法項目の一つである。しかし、初級、中級レベルの学習者だけでなく、上級学習者の「ている」の使用も問題が散見される。従来の研究を概観すると、母語話者研究 学習者研究とも、書き言葉をデータとする研究が多数を占め、オンライン処理が求められる話し言葉における分析はまだ十分とは言えない。よって、中国人の話し言葉の産出データを縦断的に調査し、課題を明らかにする必要がある。

2024年2月22日木曜日

2024.2.22 新年度集団指導予定表(案)

最終更新日 2024/4/3

コース学生各位

新年度の行事予定表です。今後、諸般の事情により変更される場合がありますのでご注意ください。


2024年度在籍予定学生数
 D3 3名(陳、中村、岡本)
 D1 3名(飯島、廉、Shimamoto)
 M2 3名(石居、春山、尾崎)
 M1 3名(魏、牟、李)
 M特別研究生 2名(前期:陈、後期:黄)
 以上 14名


2024年度集団指導予定表(案)
金曜1時間目または1-2時間目(原則として★変更 D503 ★)
※下記は予定であり、今後変更の可能性があります

ポスターの場合の組み合わせ(例)
同期の発表も聞けるように以下のようにペアリングします。
A組 陳・岡本・飯島・石居・魏・尾崎
B組 中村・廉・Shimamoto・春山・牟・李

第1回集団指導  4/26(金) 1020~1210 全員ポスター
A 6人 1020~1100
B 6人  1100~1140
新任教員小講演 1140~1200


第2回集団指導     ★修正★ 6/28(金)1040~1210 全員ポスター
A 6人 1040~1120
B 6人  1120~1200


第3回集団指導     7/26(金)1040~1210 全員ポスター
A 6人 1040~1120
B 6人    1120~1200


コロキアムⅢ       11/8(金)


第4回集団指導   11/29(金) 1000~1210
D1-D2 3人 口頭発表 1000~1045(10+5分×3=45分)
M2 3人 口頭発表 1045~1130 (同上)
M1 3人+D3 3人 ポスター 1130~1200


コロキアムⅠ&Ⅱ      1/17(金)&1/24(金)


第5回集団指導・修士最終試験 1/31(金)
M2 3人 口頭発表 1000~1100(15+5分×3=60分)
M1+D1 6人 ポスター 1100~1200 (※D3はなし) 

2024年2月1日木曜日

2024.2.2 第5回集団指導・修士最終試験

下記、無事に終了しました。M2の3人、2年間お疲れさまでした。

外国語教育コンテンツ論コース2023年度第5回集団指導・修士最終試験

日時 2024/2/2(金)
会場 D615教室(対面)

1000~1030  ポスター発表(M1:2人、D2:3人)休憩

【集団指導】
D2 岡本真砂夫「英語プロソディ指導の縦断的研究:小学校教室での実践から」
第5章では,インタビューテストにおいて児童が答えた内容の音響音声分析を行い,定型文におけるピッチ曲線,フォーカルプロミネンス曲線との比較を行う。またピッチレンジ,fluencyを集約し,全体の傾向を探る。第6章にて総合考察,第7章にて英語教育への示唆を提案する。

D2 中村弘子「日本人大学生の性格・情意要因が英語発話時の韻律的特徴に与える影響―生理学的および音響学的分析」
博士論文の第6章、第7章に相当する本調査の分析方法等に関する「計画」や「課題」について発表する。

D2 陳迪「Problems with the Use of Sino-Japanese Homographs in the Output of Chinese Learners of Japanese: An Investigation Using Diverse Corpus Data」
In this study, we combined learner corpus, native speaker corpus, spoken language corpus, and written language corpus to compare the patterns of Sino-Japanese homograph usage between Chinese Learners of Japanese (CLJ) and Japanese native speakers (JNS). After clarifying the problems with the use of homographs by CLJ, we reveal the reality of L1 interference from the Chinese language.

M1 春山洸陽「Active engagement through orienting shared interactional history」
タスクベースの英語使用環境における1日の日本人初級英語学習者のインタラクションを縦断的に追跡し、分析を行った。同じ相手との相互作用の経験のなかで共有した言語資源をその後の相互作用において使用することでよりアクティブな会話参加の様子を見せた事例の分析結果と関連する先行研究について発表する。

M1 尾﨑祐真「英文の誤り検出方法の検討 ~類似度計算を用いて~」
英文の誤り分析の手法で今回は類似度計算を取り上げ、それぞれの手法の違いについて単語的誤りの分類により、どのように類似度の値に変化があるかについて比較・検討した。また今後の研究の予定について報告する。



1040~1210 M2修論最終試問(30分×3名=90分)
【修論・修了レポート最終審査公聴会】

修了生の3人


1040-1110
M2 廉沢奇「日本語日常会話におけるABAB型オノマトペ―母語話者・学習者コーパス調査に基づいて―」
本研究は習得が難しいとされるABAB型オノマトペについて、コーパス言語学の手法を用い、日常会話に絞って、(1)まず学ぶべき重要語、(2)音と意味の関係性、(3)学習者の使用実態、(4)教材のあり方について調査を行い、今後のオノマトペ教育に提案した。



1110-1140
M2 飯島真之「現代英語における確信度副詞―コーパス研究結果の教育的応用を目指して―」
英語における確信度副詞(ADC)(certainly、definitely、probably、maybe等)の概要や研究課題を概観し、コーパス言語学の手法を用いて、(1)現代英語、及び(2)教育的視点の2観点から、ADC使用を考察する。また、研究から得られた教育的示唆についても議論する。



1140-1210
M2 佐藤菜月
「音声変化に焦点を置いた発音指導におけるカタカナ表記とその活用」



2024年1月19日金曜日

2024.1.19 コロキアムⅡ開催

博士後期課程2年生の進級審査を兼ねた「コロキアムⅡ」がオンラインで開催されました。


1040-1110
中村 弘子
Effects of personality traits and affective factors on English prosodic features in Japanese university students: Physiological and acoustic analyses



1110-1140
岡本 真砂夫
英語プロソディ指導の縦断的研究:小学校教室における実践から



1140-1210
陳 迪
日本語コーパスを用いた漢語動名詞の用法解明と日本語教育への応用



 

2023年11月7日火曜日

2023.11.24 第4回集団指導

第4回集団指導     11/24(金)1040~1210

神戸大学国際文化学研究科外国語教育論コースでは、下記の要領で、第4回集団指導を行います。コースの所属者は出席をお願いします。また、進学希望者など、コース外で見学を希望される方は、石川(iskwshin@gmail.com)あて、前日までにご連絡ください。

会場 国際文化学研究科キャンパス D615教室

プログラム(11/20更新:今後変更の可能性があります)
1040~1120 前半の部(4人)
1120~1200   後半の部(4人)
1200~1210   総括


前半の部
岡本真砂夫(D2)
「英語プロソディ指導の縦断的研究:小学校教室での実践から」
各学期末に小学生が発話した定型文の音声を用いて,7人のALTによる理解性の評価を実施した。また,その音声の母音長,ピッチ変化,フォーカルプロミネンス等について音響音声分析を行った。全体として,理解性は向上する傾向が見られた。



廉沢奇(M2)
「日本語教科書におけるABAB型オノマトペの扱い方についての考察」
オノマトペと教育のセクションの教科書分析の部分について報告します。具体的に、本章は前章で得られたコーパス知見で、既存の2種の教科書におけるオノマトペの扱い方を分析し、改善点を提言することを目指す。


佐藤菜月(M2)
「カタカナ表記活用の可能性—音声変化指導とカタカナ表記に関するアンケート調査結果からの考察—」 
福井県の公立中学校2校の英語教員を対象にアンケートを行い、音声変化指導の現状についてと佐藤式カタカナ表記に対する評価から指導への活用について考察する。



尾﨑祐真(M1)
「ツールの試作を通してのシステムの検討」
今回は、システム全体としての一連の流れを見通せるかどうかを確認し、今後の発展や課題点を検討するためにツールを試作しました。
今回作成した仮の活動内容は「学習者が属性(年齢・名前など)をキャラクタに聞いて聞き取り、ワークシートに記入する活動」です。
前回課題の修正や、新たに検討すべき課題を発見し今後の研究で検討してまいります。




後半の部
中村 弘子(D2)
「日本人大学生の性格・情意要因が英語発話時の韻律的特徴に与える影響― 生理学的および音響学的考察 ―"」
本研究の目的は性格・情意要因が英語発話時のピッチの変化に与える影響について、生理学的および音響学的手法を用いて検証することである。本発表では、予備調査の結果を踏まえて行った本調査の結果の一部について報告する。



陳迪(D2)
「中国人日本語学習者ための同形語指導の指針ー「準備」/“准备”と「確認」/“确认”を例としてー」
本研究では、同形漢語動名詞「準備」/“准备”と「確認」/“确认”を例として取り上げ、多元的コーパスセットを組み合わせ、CNSとJNSの同形語使用パタンを比較した。これにより、CLJの同形語使用の問題点と、中国語からのL1干渉の実態を明らかにし、漢語動名詞における同形語の指導アプローチを提案した。



飯島真之(M2)
「英語学習者の基本語理解を促進する用例の作成と選定:確信度副詞clearlyを例に」
用例や文脈を通じた語彙学習の重要性は、数多くの先行研究で主張されきた。今回は、確信度副詞clearlyを例に、コーパスを用いたレジスター、生起位置、共起語調査結果、及び、学習者の習熟度段階に配慮した用例セットの提案を試みる。



春山洸陽(M1)
「Using international history in second position to help a novice response fluently」
今回の研究では、microーlongitudinal Conversation Analysisの手法を用いて日本人英語初級者の流暢性の変化について観察と分析を行った。英語初級者がタスクを進行する中で、International historyの使用による返答の流暢性が向上した事例について分析したことを発表する。




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コース学生のみなさんへ

★発表形式
第2回と同様のポスター発表形式です(※内容については指導教員と十分に相談すること)

★ポスター作成時の注意
「前回指導への対応」を記載すること(前回、教員や院生からもらった主なコメントと、それらについてどう対応したかを簡単に記載)。とくにM2生は修士論文全体の概要を冒頭に明記すること。

★発表申し込み期限(11/17(金)まで。期間厳守)
(1)発表申し込み  題目、概要などを送信。
(2) ポスター原稿提出 補佐員に、メール添付で、ポスター用のファイルを送付ください。メール題目は、「院外コン:ポスター作成依頼(本人氏名)」としてください。
※完成したポスターはD507で各自受け取りのこと。ポスター作成の方法については指導教員の助言を得ること。


参考

2023年度のコース集団指導実施記録
 4/28 第1回実施記録 
 6/23 第2回実施記録
 7/28 第3回実施記録


 

2023年7月21日金曜日

2023.7.28 第3回集団指導

7/28
終了しました。初の「学生主導型」集団指導、学生からの質問も多く出て、成功裏に終えることができました。



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外国語教育論講座外国語教育コンテンツ論コースでは、以下の通り、本年度の第3回集団指導を行います。これまでのポスター発表形式とは異なり、今回は、口頭発表形式となります。コース外からの聴講参加も歓迎します。コース外から参加をご希望の方は、iskwshin@gmail.comあて、前日までにお知らせください。

2023年度外国語教育コンテンツ論コース第3回集団指導
日時 2023年7月28日(金)0940-1210
会場 D615教室

プログラム(7/23現在)


0940
集合

0945-1000
尾﨑 祐真
「音声を用いた語学学習支援に関する関連研究と問題情報作成部の検討~外部ファイルを用いたデータ読み込みから合成音声での出力まで~」
音声を用いた語学学習支援に関する研究の流れを概観し、問題情報作成部で2つの外部ファイル(CSVファイル)からデータを読み込み、文字データを音声データに変換して出力するまでの機能を検討した。
●司会・指定討論 飯島真之


1000-1015
春山洸陽
「Extending an accommodation as an interactional resource」
日常生活空間が設定された場面における英語熟練者と日本人英語初級学習者との間の会話において、熟練者が学習者の理解に合わせて質問をデザインし、さらにその質問デザインを別の学習者グループに対しても使用しているケースを紹介する。interactional competenceとinteractional historyのふたつをキーワードに自身の行った分析について紹介する。
●司会・指定討論 尾﨑 祐真


1015-1030
廉沢奇
「日本語教科書におけるABAB型オノマトペの扱い方についての考察」
本研究は日本国内で刊行された『みんなの日本語』と中国国内で刊行された『総合日本語』、2シリーズ計8冊の日本語教科書におけるオノマトペを調査し、コーパス知見に照らし、教科書に出現するオノマトペの適切性を考察する。
●司会・指定討論 春山洸陽


1030-1045
佐藤菜月
「中学校教科書New Horizon本文の音声変化に着目したカタカナ表記—音声変化の種類別分析—」
これまで、中学校教科書(New Horizon)本文のカタカナ表記を行ってきた。本発表では、表記した中でも音声変化に着目し、その種類別の表記サンプルを音源とともに提示する。また、各学年における音声変化の種類と数から、その特徴を考察し、指導への示唆を検討する。
●司会・指定討論 廉沢奇


1045-1100
飯島真之
「英語学習教材におけるADCの提示実態:英文法参考書の比較」
本研究では、英文法参考書5冊を対象に、各々のADC提示実態を、(1)記述内容・語数、(2)個別ADCの提示実態、(3)個別ADCの用例の妥当性等の観点から調査し、考察を行う。本研究の結果は、新しい学習教材開発のための指針とする。
●司会・指定討論 佐藤菜月


(10分休憩)

1110-1125
岡本真砂夫
「英語プロソディ指導の縦断的研究 –小学校教室での実践から–」
音声44人分の音響分析を終えました。現在,ALTによるcomprehensibility testを実施しています。プロソディの指導を受けた児童の英語発音がどのように変化したか,フォーカルプロミネンス,ピッチ曲線から分析します。
●司会・指定討論 陳迪


1125-1140
陳迪 
「コーパスデータに基づく日中同形語に関する一考察」
日中同形語の研究は古くから広く行われてきたが、言語学的研究が中心であり、L2習得に関する研究が少ない。本研究は、日本語コーパスと中国語コーパスを用い、中国語を母語とする学習者の過剰使用・過少使用の日中同形語の使用実態を考察し、同形語の学習法を提案することを目指す。
●司会・指定討論 中村弘子


1140-1155
中村 弘子
「日本人大学生の情意要因が英語発話時の心拍数やプロソディに与える影響―予備調査のまとめ―」
これまでの予備調査の結果と本研究に向けた課題についてまとめ、補足的に行った予備調査として、情意要因、心拍数、プロソディについて習熟度別の差異があるか分析を行った結果について報告する。また本調査で用いる録音材料の文章を母語話者に読んでもらい、音響分析を行った結果にも言及する。
●司会・指定討論 岡本真砂夫

総括
1155-1200


以下は、7/23時点での実施案です。今後変更される可能性があります。

発表者の方へ
1)発表パワポは前日の夜20:00までに、指定のフォルダに入れてください。印刷物の作成は不要とします。
2)発表+質疑+次の方との入れ替え含めて15分とします。目安としては発表10分程度、質疑を5分程度としますが、15分枠内であれば若干の変動は不問とします。
3)発表にあたっては、論文全体の目次を示したうえで、今回の発表がどの部分にあたるのかを明示してください。
4)外部で業績を上げている人は、小さなものも含め、冒頭で報告してください(学会・研究会での口頭発表、論文採択など)
5)10分で、やっていることのすべてを紹介できるはずがありません。したがって、限られた時間に、どの内容を、どう盛り込み、どの順番で提示するのが最も効果的か、よくよく考え、十分に工夫して発表に臨んでください。これは、将来の学術学会での公式発表を見据えたトレーニングの場でもあります。

司会者の方へ
1)学生主導で会を運営していただくため、自分の発表をするだけでなく、他の学生発表の司会兼指定討論者をお願いします。
2)担当する発表については15分以内にすべて終わるようtime controlをお願いします。
3)冒頭は発表者の名前紹介だけで結構です(発表者が持ち時間をすべて使えるよう)
4)質疑応答では、冒頭に、指定討論者として、発表者に対して1つ質問を出してください。その発表の本質を突く良い質問を考えることも、学術的なトレーニングの一部です。
5)1問目への質問に対する発表者の回答が終わればフロアから追加の質問を募ってください。学生、教員、指導教員から同時に質問希望があった場合は、選択権は司会者にあります。優先基準は、学生→教員→本人の指導教員です。
6)とくにフロアから質問が出なければ、司会者の権限で学生を指名し、質問ないしコメントを言わせてください。あるいは、司会者自身で2つ目の質問を出してください。
7)たとえ質問が盛り上がっていても15分たてば強制終了を命じてください。time controlが司会者の最優先義務です。
8)万一、予定などで割り振られている時間の司会ができない(可能性がある)場合は、事前に石川宛ご連絡ください。再調整します。


聴講者の方へ
1)配布物は電子資料となりますので、PC,スマホなどをご持参ください。あるいは事前に各自で印刷してお持ちください。
2)聴講者の方は、原則として、全発表者へのコメントをお願します。一言でも結構です。コメントが学生の今後の励みになり、また、指導教員にとっても、指導のヒントとなります。個別発表ごとに、こちらから送信してください。なお、皆さんのコメントは全教員でシェアしたうえで、各学生にフィードバックされます。